広島県中小企業団体中央会

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ものづくり連携倶楽部ひろしま

ものづくり連携倶楽部ひろしま 第6回講演会・企業交流会を開催 

2017-11-01
 広島県中央会では、10月11日、ANAクラウンプラザホテル広島において、県内の中小企業等51名及び支援機関等11名の出席のもと、「ものづくり連携倶楽部ひろしま 第6回講演会・企業交流会~中小・小規模事業者の省力化・効率化~」を開催した。
 まず始めに、「町工場でも成果の出せるIoT-昭和の機械も接続-」と題して、i Smart Technologies株式会社 黒川龍二執行役員COOより講演があった。同社が開発している「製造ライン遠隔モニタリングサービス」は、工場の既存設備にセンサーを取り付け、検知したデータを専用のインターネットを通じたクラウドシステムで分析し、製造ラインの停止時間、生産個数、一個あたりの生産時間といった生産管理情報が、リアルタイムに従業員のスマートフォンやパソコンなどに表示される機能を持つ。取り付けが簡便で初期投資も抑えつつ、生産管理に特化したデータが離れていても手元に届く仕組みになっており、コストや専門知識の面でIoTの導入に躊躇している中小企業でも、業種を問わず導入しやすい製品となっている。黒川氏は、「人には付加価値の高い仕事をさせ、改善に集中できるよう、生産現場の環境を整えていかなくてはならない。中小企業がIoTの導入に踏み切る最初の一歩をサポートしていきたい。」と、人手不足や人材不足の声があがるものづくり企業について、IoT導入による現場改善の必要性を説明された。
 講演後には、広島県中央会より、12月~来年2月頃にかけて開催を予定している「中小企業のIoT導入研究会」の告知を行った。同研究会では、中小企業でのIoT導入の基本に関するセミナーを通じて、IoT導入の第一歩となるヒントやノウハウを持ち帰り、実際の現場で活用できることを目的としており、参加意欲のある企業の募集を行った。
 続いて、ものづくり企業4社から、「ICタグによる商品情報管理システム」、「スマホによる健康監理システム」、「PC画面の共有によるコミュニケーションの見える化」、「特殊工具による既存設備の生産性向上」など、省力化・効率化による中小企業の共通課題となっている人手不足・人材不足解消に役立つ取組事例について発表があった。その後、独立行政法人中小企業基盤整備機構中国本部より、販路拡大を目指す企業の情報を登録することで世界に向けて情報発信が可能な「J-GoodTech」の紹介も行われ、すぐに登録を希望する企業もあった。
 また、今回は講演会やプレゼンテーションに合わせて、講師・プレゼン企業とすぐに商談できるブースを別に設置した。商談ブースでは絶え間なく訪問者があり、中には商談が次の段階へ進んだ企業や、「J-GoodTech」の登録をその場で行う企業もあり、企業連携につながる具体的な成果も見られた。
 講演会終了後は、講師・プレゼン企業を交えた企業交流会を開催した。日頃接点の少ない先進的な技術を持つ県内の異業種企業や支援機関も含めて盛んに名刺交換し、情報交換を行った。この交流会では、より多くの企業同士が触れあえるよう、事前に企業交流会参加企業のプロフィールをまとめた冊子を配布し、交流会中に興味のある企業があれば、中央会職員及びものづくり地域事務局コーディネーターが企業同士を引き合わせた。交流会の会場においては、終始、企業の代表者や事業担当者が互いの企業紹介や事業、技術について紹介し合う場面が多く見られ、中小企業支援機関等も加わり盛況となった。
 広島県中央会では、11月21日にも、「連携で生まれるイノベーションとIoT・ロボットの活用による生産革新」をテーマに、場所を広島県東部(福山ニューキャッスルホテル)に移し、「第7回講演会・企業交流会」の開催を予定している。
 今後も「ものづくり」を中心とした新たな企業連携や、「中小企業のIoT導入研究会」を始めとした各種研究会など、更なる企業の生産性向上と新規ビジネスの創出に向けた事例紹介・情報提供により、ものづくり企業への役立つ支援を続けていくこととしている。

 

挨拶する伊藤会長


i Smart Technologies(株) 黒川COO


講演会の様子