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巣守金属工業株式会社 ”社会価値を創造する企業への挑戦” 

2016-04-19



“社会価値を創造する企業への挑戦”

巣守金属工業株式会社
代表取締役 巣守 佳之  氏

御社について教えてください
当社は大正3年(1914年)に金属薄板加工業として創業し、古くは自転車の鑑札(現在のナンバープレート)に始まり、バイク、そして自動車へと変遷し、現在まで一貫してナンバープレートを生産してきました。平成19年からは、全国初の原付バイク「オリジナルナンバープレート」の生産を始め、現在では450ヵ所以上の市町村に広がるまでに至り、地域活性化の一端を担うことができたのではと感じています。
ナンバープレートには元々、2つの重要な役割があります。1つは、数ある車両を識別可能にすることで、犯罪抑止や取り締まりなど交通安全に寄与しています。もう1つは、車両が行政及び整備工場による検査、整備が適正に行われているという証明となります。これまで当社は、「たゆまぬ努力と誠実な姿勢で自動車交通行政の一翼を担い、安全で安心な車社会の実現に貢献する」という基本理念を掲げて事業を進めてきました。オリジナルナンバープレートの登場により、「信頼と魅力あふれる製品やサービスの提供を通して、新しい社会価値を創造する」を新たな役割として加え、事業に取り組んでいます。


 
企業間連携について教えてください
中小企業は資本に限界があります。また、効率よく差別化を図るためにも、外部化した方が良い分野と内部化して伸ばす分野の見極めが必要です。幸い、広島県はマツダ協力企業をはじめ、金属加工分野に秀でた企業の集積地域であり、当社としても広島の地の利を生かして企業間連携を行うことは、非常にメリットが高いと感じています。例えば、プレス金型については、設計は内製ですが、製造の一部は金型加工に特化した企業へ外部委託しています。今後も選択と集中によって経営資源の有効活用を行いたいと考えています。
 
公共事業への取り組みについて教えてください
オリジナルナンバープレートはたくさんの思いや期待が詰まった公共財です。そして地域ならではの原風景や特産物、文化、生活、自慢などを表現した、いわばまちのシンボル。地域振興や観光振興の面だけでなく、同時に郷土愛や誇りを育むこと、地域の一体感の醸成などの効果も期待されています。したがって、その地域の人々に共感してもらえるものを提案できるよう努めていきたいと考えています。

業界が抱える課題について教えてください
我々の業界は国の政策に左右されることが多く、昨今では消費税や軽自動車税の増税、エコカー補助金など、自動車等の販売増減に合わせて生産体制を都度調整する必要があります。当社は1日当たり5,000枚程度のナンバープレートを製造していますが、時代の流れとともに、カーシェアの普及や一世帯当たりの車保有台数の減少、少子高齢化問題などが顕在化し、国内の新車販売が今後伸びていくとは言い難い状況となっています。ナンバープレート業界も他の業界と同様に既存事業に囚われない、新しい視点で事業展開していく姿勢が求められています。


人材育成について教えてください

当社は、ある特定の技術・技能を狭く深く掘り下げるスペシャリストと、複数の異なる業務を遂行できる多能工に分けて育成しています。ナンバープレート事業では、金型の設計や管理、製造装置の開発や保守が前者にあたります。また、当社には、ナンバープレート以外の事業の一つに、バスや電車のラッピング広告を制作するグラフィックス部門があります。デザインから施工まで一貫して当社社員が行っていますが、これらも専門性の高い業務といえます。経験や感性が必要なスペシャリストの育成は、長い時間をかけて次世代へ引継いでいく環境を整えています。一方で多能工に関しては、スキルマップを導入し、社内のスキルの見える化を図っています。不足する技能の把握、それについての育成計画や各自の目標設定に活用することによって、組織力向上につなげています。また、当社では新事業開発や課題解決型のプロジェクトを組織横断で設置しています。そこに次世代を担う社員を積極的に配置し、柔軟な発想力やチームをまとめる能力の開発を行っています。
スキルは人から人に伝わり熟練されるものです。社員が将来に不安があると本気で取り組みにくいと考え、当社は全て正社員での採用を行っています。企業セキュリティからみても、行政との信頼関係においても、経験豊富な社員で構成された組織によって生産されているということは大変重要なことだと考えています。

御社の未来について教えてください
「次世代の売上につながる新しい製品や市場を創り出す」ことが我々世代の使命だと考えています。当社は保有技術にこだわらず、足りない技術はその都度補うくらいの気持ちで、枠にとらわれない発想を心がけていきたいと思っています。現在国では、2020年に控えている東京オリンピックに向けて「東京五輪特別仕様ナンバープレート」の発行準備が進められています。当社が100年培ってきたノウハウと技術力を武器に、オリンピックとその先の未来に向けて、今後も挑戦を続けていきたいと考えています。




広島市南区出島1-34-7
TEL:082-251-8307
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