広島県中小企業団体中央会

082-228-0926(本所・広島)
084-922-4258(支所・福山)
chuokai@chuokai-hiroshima.or.jp

組合ニュース

【がんばってます!組合】熊野筆事業協同組合 熊野筆マイスタースクールを開講!! 

2013-06-14
 熊野筆事業協同組合(理事長 竹田 史朗)は、経済産業省の伝統的工芸品産業支援補助金を受け、後継者育成事業である熊野筆マイスタースクールを開講した。
 技術革新による大量生産、大量消費の経済構造の確立や国民の生活様式の変化により、規格化・標準化された低価格の文具品が大量に生産・消費されるようになった結果、価格・量産における優位性の少ない毛筆産業は、近代工業製品にシェアを奪われるようになった。
 毛筆製造においては、長期間の修行を必要とすることや若者の労働観の変化も重なり、この業態を支えていた「徒弟制度」の基盤が崩れ、従事者が減少していった。
 こうしたことに危機感を抱いた組合は、平成21年度から技術者・後継者育成を行っており、技術者を増やす取り組みとして、マイスタースクールを運営している。そこでこの度、6月4日に熊野筆マイスタースクールを開講した。
 現在不足している後継者の確保育成を目的とした「入門コース」、従事者や筆司会及び一般筆司の技術向上を図り伝統工芸士級の技術者と指導者の養成を目的とした「中級コース」と「筆司会毛筆製造技術研修会」、また短期間で技術修得が可能である繰り込み、仕上げ、銘彫刻の部分工程を事務職、営業職等に習得させ1人でも多くの職人を養成することを目的とした「仕上げコース」の3コースと技術研修会を実施する。それぞれのコース内容は次のとおりです。
①入門コース
  筆事業所の新規就職者、Uターン、Iターン等の熊野筆製造従事希望者等の素人、初心者などに対し、一般的な兼毫筆製造の3ヶ月60日間の指導研修を伝統工芸士2名の常駐講師により実施し、後継者を育成する。
②中級コース
   筆事業所勤務の経験年数の少ない筆職人に対し、伝統工芸士級の伝統技術修得を目指した筆製造の25日間の指導研修を伝統工芸士1名の講師により実施し、研修内容は受講生が現在作っている筆より高級な筆150本程度を製作する。
③仕上げコース
  筆事業所勤務の従事者や工程限定職者に対し、繰り込み、仕上げ、銘彫刻各工程を特別講師各1名の3名により、3工程30日間の研修を実施する。
④筆司会毛筆製造技術研修会
  筆事業所勤務の従事者、工程限定職者や経験年数の少ない筆職人に対し、伝統工芸士級の伝統技術修得を目指した毛筆製造技術研修会を伝統工芸士6名の講師により、毎月1~2回、全12回実施する。
 
 熊野筆マイスタースクールの運営によって、熊野筆伝統工芸士の育成と産地のイメージアップが図られ、また、産地組合の責務である、後継者の確保、職人の育成、従事者の技術向上による職人数の減少の抑制及び伝統工芸士級の技術者を養成し、技術・技法の継承のための指導者を確保することができるなど、産地を支えるうえで大きな持続的成果を生みだしている。


熊野筆事業協同組合
   安芸郡熊野町中溝3丁目13-19 TEL(082)854-0074・FAX(082)854-6790