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トラスト株式会社 “金型内製化プロジェクト』に よる人材育成・技術力向上を 目指す。” 

2016-03-16



「『金型内製化プロジェクト』に よる人材育成・技術力向上を 目指す。」

トラスト株式会社
代表取締役社長 中田 芳敬 氏

御社について教えてください
1964年に創業した当社は、1970年に鋳造部門をスタートし、現在はアルミダイカストによる各種部品の製造を行っています。小ロットのものから量産品まで約180種類の製品を、全41台のダイカストマシンやロボットによる機械工程、人の目による最終出荷検査などを経て高品質な製品を製造し、多様化・複雑化するダイカスト製品のニーズに対応しています。
当社のダイカスト製品は、車両分野をはじめIT分野や建築分野など多種多様な分野で用いられており、各メーカー(お得意先様)の機能部品として搭載されています。
現在は、お客様ニーズへの更なる即応を実現するために、ダイカストに使用する金型の内製化を目指しており、本格的な事業化に向けて社員一丸となって取り組んでいるところです。

金型の内製化への取り組みについて教えてください

ダイカストとは、溶かした合金を金型に押し込んで成形する鋳造方法です。ダイカストとその鋳造に必要な金型は、外部から見ると一連のもののように見えますが、ダイカスト製品の製造とその成形に必要な金型の製造は、通常それぞれ専門の業者が分担して行います。当社は外部から金型を調達していましたが、納期の短縮や高度な金型修繕の自社対応を可能とするために2012年から金型内製化プロジェクトをスタートさせました。
金型は量産使用を重ねることで老朽化し、製品完成までの工程にも影響を与えます。金型に異常が起こると、工程を増やしてのイレギュラーな対応や、場合によっては新しい金型の追加発注が必要となります。金型の追加発注は調達までに多くの時間を要しますが、金型を内製化することで納期の短縮と安定供給が実現できます。
また、金型技術の内製化に取り組むことで、当社全体の技術力を底上げすることも目的の一つに掲げています。そして最大の強みとなる金型製造から鋳造までの一貫工程が実現できます。計画を実行にうつし、金型部門へ設備・若手を中心とした人材を投入して品質や作業効率の向上を目指しています。



 
取り組みは順調ですか
現在はほぼ見込みどおりの成果を得ています。2012年には金型工場を建設し、2013(平成25)年にはものづくり補助金を活用するなど、金型製作のための環境と設備を充実させることができました。金型の設計~製造~修繕といった一連の工程を構築できたことで、必要に応じた金型の追加作成や、従来であれば外注していた金型の補修に必要な部品を自社でまかなう見込みが立っています。
また、この取り組みは、金型の製造経験とノウハウがなければ気付けない金型の不具合や改良点の発見にも繋がっています。これらの情報をいち早く金型に反映できるというメリットを活かし、当社の金型製造技術とダイカスト製品の精度を更に高めていきたいと考えています。


 


今後の展望を聞かせてください
現在事業に取り組む社員たちからは、「個人のレベルアップと金型製造設備の更なる充実により、金型の完全内製化を実現したい」「高精度測定機の導入活用により精密な解析を実現し、金型の変化による不具合を発見するとともに目に見えない原因を究明し、対応できる体制を整えたい」と次へのステップへの声が上がっています。
当社に注文が来る製品は、全ての要求項目において難易度の高いものが多いです。自社で製品として扱うことが難しいからこそ当社に任せていただける。だからこそ、製品の品質を入念に確認し、精度を高めることが欠かせません。当社のそれぞれの部門で日々様々な改善について検討を進めています。金型の内製化によりさらに製品の精度が高まり、金型製作により得た技術やノウハウを金型以外の事業でも活かすことができると考えています。
今の目標は、金型事業を軌道に乗せることです。社内の声からも分かるとおり、この目標達成へ向けた意識の共有が出来ています。今後は金型事業を、当社を支える主要部門の一つとして成長させていきたいと考えています。







トラスト株式会社
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