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大和工業株式会社 “高い要求に応える技術力 材料調達から完成品まで全加工で対応” 

2015-11-17



高い要求に応える技術力 ~材料調達から完成品まで全加工で対応~

大和工業株式会社

代表取締役 平川 隆裕 氏(右)
専務取締役 髙山 一成 氏(左)
 
御社について教えてください
当社は、昭和46年に福山市新市町で「大和工業」として創業しました。創業当時は船舶関係、工作機械、ポンプ部品の汎用旋盤加工が中心でしたが、その後、株式会社を設立。印刷機器部品へ進出して、現在ではパワーチャック部品やNC円テーブル部品、油圧チャック、精密機械部品などの製造を行っております。昭和52年には当地域初となるNC旋盤を導入しました。当時はNC旋盤がめずらしく、色々な企業から仕事の引き合いを受けたと聞いております。しかし、従来にない設備の導入であったため、ノウハウがなく現場では手探りで加工を行うという苦労も乗り越えたそうです。初代社長から2代目と続き、平成21年に現在の経営者となる3代目に引き継いだ今もそのようなニーズを先取る気風を受け継ぎ、将来を見越して積極的に設備の新設、更新を行ってきました。その結果、今では材料調達から表面処理までの全加工を請け負うまでになっています。

  

御社の強みを教えてください
当社の持つ高い精度と加工技術により、ニーズへ柔軟に対応できることです。お客様からの要望を実現するため、新たな製品や他社では難しいと言われる加工へも取り組み、ニーズを原動力として成長してきました。そのため現在では、材料調達からプログラミング、ミクロン単位の加工、表面処理までの完成品に至る一連の工程全てへの対応が可能となるまでになりました。さらに、激しい受注量の落ち込みや経済環境の変化を乗り越え、工程集約や加工に工夫を凝らすことで、コスト面での対応力の蓄積も進んでいます。また、今までの取引実績から現在の発注先からも期待を受けており、これからも信頼されるパートナーでありたいと考えています。


 
ものづくり補助金の活用について教えてください
平成24年度、平成25年度と採択され、事業に取り組みました。当補助金の申請前に別の補助金にチャレンジしましたが良い結果にならず、ものづくり補助金に内容が合致したため、それを事業計画書に落とし込む形で申請書の作成に取りかかりました。構想はあったものの事業計画書の作成には戸惑いましたが、休日にも申請書に取り組んで完成させることができました。また、リョービ関連工業協同組合へ所属していたこともあり、中央会へも相談することで色々な角度から申請内容をみることができました。事業計画書を完成させる課程では修正の連続でしたが、内容は同じでも色々な表現やアピールの方法があることは大変勉強になりました。
 実際の現場では、導入した機械で、特殊な治具を作成して手作業で行っていた作業が自動化でき、リードタイムの短縮や複雑加工も可能となりました。また、CAD/CAMソフトと三次元測定機が加わることにより、薄物加工や曲面のある三次元形状部品などの複雑形状の精密な測定が可能となり、検査にかけていた時間も短縮できました。工場全体でも効率化に向けた工程の見直しにつながる効果がでています。
 



今後の展開についてはどうお考えですか
今回の補助金の活用により、作業の自動化はもちろん、緻密な制御加工や測定精度の向上も実現しました。新たな部品加工や試作品への取り組みもスムーズに行うことが可能となり、さまざまな分野へチャレンジする体制が整いました。仕様書1枚から完成品までを実現できるという強みを活かし、今後は一品、単品加工にも取り組んでいきたいです。また、現在の取引先に今まで積み上げてきた加工技術を還元し、お客様と活発にやり取りし、当社からも積極的に提案できる企業を目指したいです。取引先からの要求は日々高くなっていますが、当社製品が取引先の事業に大きく役立てると考えています。
今後、生き残っていくために当社の技術力を活かした幅広い仕事ができるように信頼される企業を目指し、期待に応える取り組みを推進していきたいと思います。


大和工業株式会社
福山市新市町常2600-3
TEL:0847-53-8637