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石田プラスチック株式会社 “熟練の技術を大切にし、新たな技術を育む。” 

2015-08-10


「熟練の技術を大切にし、新たな技術を育む。」
 
石田プラスチック株式会社 代表取締役 石田 壮宏 氏


御社について教えてください
当社は、1968年に創業し、主に射出成形という方法でプラスチック部品を製造している2次及び3次下請の会社です。射出成形とは、複雑な形状のものを多量に作るのに適した手法であり、熱で溶かしたプラスチックを金型に入れ、冷却し固めて意図した形状のプラスチックに作り変えを行います。当社は、1986年に日本で市販第一号の電動射出成形機を導入しました。また、現在では当たり前の機能となった多段射出についても、日本製鋼所の試作品であったN70CPを1976年に導入しています。

 
 
品質管理についての取組みを教えてください
当社では、ISO9001取得をはじめとし、100ページを超える独自テキストによる社員教育等を行うことで品質の向上・維持に努めています。不良品の流出の主な原因は、変化があった時の対応が不適切であった場合と捉えて、変化点が適切に処理されているかを一覧化し、管理しています。また、製品ごとに基準類、帳票類を加えた時系列ファイルを作成し、経過が一目で分かるようにしています。さらに、前回成形品を保管し、生産中にラインへ設置することで異常検知の精度を引き上げる工夫をしています。

ものづくり補助金の活用について教えてください
検査、箱詰め、箱替えを全て自動化することが顧客の要求に応えることにつながると考え、この度のものづくり補助金を活用するに至りました。その結果、従来の成形機では、無人運転時間が10分程度が限界だったのに対し、新たな成形機導入により、12時間以上もの長時間、無人で動かすことが可能となりました。現在は、不良発生メカニズムの解析を行い、全数良品化を目指して邁進しています。また、余談ですが、この度のものづくり補助金を活用するにあたって、申請書の内容を考えて試行錯誤していく事は、自社と自社製品を見つめ直す良いきっかけとなりました。今後も同様に各種補助金等を活用して、自社をあらゆる面から検討し、利益に結びつけていきたいと考えています。

研究開発について教えてください
当社は、以前は研究開発に傾倒して取り組む企業とはいえず、現在持っている技術の中でいかに生産性を向上させるかに注力していました。しかし、それではコストダウン要求に対してジリ貧な状況が続き、会社の成長は見込めないと感じています。そこで、現在は、公益財団法人くれ産業振興センターや、近隣の教育機関と連携して、「自社製品にいかに付加価値をつけていくか」を模索しています。その効果として、新たな視点で製品にアプローチできたり、専門分野に精通した先生や技術者の方とお話する機会が生まれたりと、とても良い選択だったと実感しています。事実、当社でのみ専門的な研究を行っても、自社開発の土壌を整え従業員を教育することには多額のコストがかかり、費用対効果から見ても、必ずしも効率が良いとは言えません。今後は、また次のステップとして、異業種企業の方とも積極的に連携を考え、他社の素晴らしい点を取り入れ自社に還元できるような、新たなサイクルを創りだせればと考えています。

 
 
人手、人材の確保についてどうお考えですか
人手不足、人材不足ともに強く実感しています。従業員1人1人の生産性を無理に向上させるのは、正しい選択とは思えません。当社は、人手確保の面では、どうしても1次下請等の会社とは競争することが困難です。視点を変えて、定年を迎えた熟練のシニア世代や、やむを得ず転職を余儀なくされた方などを受け入れる体制を整え、人材と人手不足の解消ができればと考えています。これまでと変わらない採用計画では、2次及び3次下請において、有能な働き手を確保することは難しいでしょう。

御社の将来像について教えてください
現在、当社が主に請け負っている仕事は、不良品を極限まで抑えて、生産コストを低減させ、顧客のプライスダウン要請に応えられるかが、大きなポイントとなっています。1円でも安ければ他の店に行くというのは、それはそれで仕方のないことと理解していますので、これからもその要望には変わらず応えられるよう努めながら、量産化に関して、他社と比べて一定の目途がたてば、新たな成形や事業に取り組んでいきたいと考えています。



石田プラスチック株式会社
呉市広末広1丁目5-25
TEL:0823-73-2950
FAX:0823-74-3823