広島県中小企業団体中央会

082-228-0926(本所・広島)
084-922-4258(支所・福山)
chuokai@chuokai-hiroshima.or.jp

トップに聞く!組合・企業インタビュー

共同食品工業株式会社 “美味しさと、楽しさを、安心とともに” 

2015-02-10


御社について教えてください。
 当社は、コンビニエンスストア・スーパーマーケットに陳列されている「イカの姿フライ」や「ソースカツ」などを主力製品とした、フライ菓子製造・販売事業を行っており、世間一般でいう所の「珍味」を取り扱った会社です。取引先は、卸売・小売ですので、消費者と直接の関わりが少ない会社です。また、当社は広島珍味食品協同組合に加入しており、卸売・包装メーカー等を含めた異業種連携により幅広く活動しています。

「珍味」について教えてください。
 珍味は大きく分けると、乾燥系で常温流通可能な「乾珍味」、日持ちが短かったり冷蔵保存が必要な「濡珍味」に分けられます。ただ、「珍味」の定義については、実のところはちょっと曖昧で、無加工で食べられ、日持ちがして、一般的な物じゃないという程度です。また、珍味は、菓子売場や鮮魚店、お土産屋でも売られており、駄菓子、佃煮、鮭フレーク、塩辛など多種多様で、逆に缶詰は該当しなかったりと把握しきれない部分が多いです。よって、国内の珍味製品がどれくらいあるかは正確に集計することができず、珍味業界はちょっと特殊な業界といえます。

 海外事業で苦労することを教えてください。
 現在はタイによく出向いています。タイはアジアの集積地になっていますから、タイに行けば情報量を多く得られます。海外とのやり取りで苦労することは、当社製品を登録する際にどう分類すれば良いか正確に決まっていない点で、輸出書類の作成がとても大変です。現地では「珍味」や「天ぷら」といった名称自体が一般に浸透していない為、「珍味とは?」「天ぷらとは?」の段階から丁寧な説明が必要となっています。従って、当社製品を輸出する際は、製品単体で輸出可能か判断を行い交渉していかなければならず、海外進出のネックとなっています。

 販路拡大やその方針について教えてください。
当社の製品は、前述した通り、カテゴリーでは一様に言い表せませんが、当社判断により、スナック業界で勝負していく事にしました。その結果、企業PB(プライベートブランド)や100円コーナー等でお菓子類と一緒に並ぶことができ、子供達の身近なおやつとして受け入れられるようになりました。価格についても5枚で100円と安価ですので、消費者ニーズにマッチした製品となっています。
また、当社の販売戦略は、「一万人の人がいても、その半分の五千人に受ける必要はない。一万人の中の10人のお客様が毎日食べたくなる、そんな商品を提供していこう。」を基本としています。当社が「うまい!」と感じる製品をつくり、それにはまり込んでくれるお客様を大切にする。これは創業当初から変わらず持ち続けております。
ただし、これには関門があり、お客様に商品を届けてくれるバイヤーの皆様にも納得いただく商品でなければなりません。その為には、食感、風味、水分量など、「これならばこれだけ売れますよ」というデータを用いて正確に、確実に立証していく必要があります。当社は消費者・バイヤーの皆様に常にご納得いただけるよう、日々製品の研究を重ねております。

 「SQF2000」の取得について教えてください。
 当社は、SQF(セーフクオリティフード)の認証を日本国内で2番目に取得しています。SQFは、ISOとHACCPを組み合わせたような認証サービスで、その中でも当社は、システムの認証だけでなく製品の認証まで総合して行う「LEVEL3」を取得しています。当社が取得した時期ではまだ認知度は低かったのですが、大手小売店の方で採用するようになってから普及し始め、「共同食品さんの製品なら大丈夫」と言ってもらえる事がとても多くなりました。営業力を強化するよりも、製品の品質管理に注力してきたことで、結果として、売上増加につながったと感じています。

 ものづくり補助金の活用について教えてください。
当社は長い間、製造人員の不足に悩まされてきました。その対策として、以前は当社にマッチした人材の獲得について模索していましたが、現在は「10人の仕事を8人で行えるように改善する」ことに力を入れています。いかに効率よく生産し、少人数化するか。労働強化ではなく、ちょっとしたアイデア、工夫により、一人当たりの労力を圧縮できるかに注力しています。今回のものづくり補助金により導入した製造機械は、その点で大きく寄与しました。以前は4人の作業が必要だった工程をほぼ1人で完遂できるようになり、昨今の課題に対し充分な成果を得られています。今後については、機械の大型化による清掃時間の増加、前後工程の工夫など、新たに発生した課題を解決することにシフトしています。

 読者の皆様に伝えたいことがあれば教えてください。
 当社は、「お客様の手元に変わらず在り続けるもの」をこれからも製造し、常にお客様にとって高品質かつ高い安全性を有する製品を提供することに、総力をあげて取り組んで参ります。これからも、当社及び当社製品を宜しく御願い申し上げます。


共同食品工業株式会社(広島珍味食品協同組合)
呉市川尻町西5丁目11番6号
TEL 0823-87-0456